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2024年10月12日

丹波の木材を取り扱っているところから椿の輪切りが届きました。小さいもの10個、少しだけ大きいものといっても10㎝を少し超えるぐらいのものですがとてもうれしいです。とにかく安いのがうれしい。木口を磨きながら何を描こうか考えています。もう少し大きなものを以前買ったことのある和歌山の木材を取り扱うところで購入しようとしましたが、取り置きもしてもらえず宅配でも断られ寂しい思いをしました。もうここにはいくことも購入することもないと思います。届いた木口は椿ですが思ったよりも質の良いものだと思います(あまり経験がないのでわからないですが)。スペインのカダケスミニプリント展に出品する作品を作ろうと思います。一点は来年の干支の巳をモチーフにして、それから昆虫か風景を描こうかなとなんてわくわくしているところです。出来上がったら、イギリスの作品を購入してくれた人とこの材木店に送るつもりです。他にもアトリエの襖(どんなアトリエやねんという感じですが、普通のマンションをアトリエに使っていてまだそれらしい感じになっていない)を自分の作品に張り替えてしまいたいという計画があります。計画だけは誰にもできて実行に移すことが大事だとある経営者が行っていましたので、このブログに書くことで少しは実行できるようになると思います。作品を作ってみないと頭で思っていることが実現しませんが、作ってみると失敗や新しい発見があります。この経営者は、司会者が失敗を忘れて次に進むのですね、といったときに、すかさず、失敗は忘れてはいけません、何が失敗であったかを考えて次に進むことですと言ったのはとても興味がありました。僕は今、古本屋で購入した銅板のエングレービング、一部に木口木版もある本とフランスの建築の本を眺めています。版画の本はL‘AMOURとあるぐらいですのでちょっぴりエロスがあり、建築の本は街燈や彫刻がなんとも素敵です。何年か前に強い台風で近くの公園の木々が倒れ、今のアトリエの一番大きな木も倒木してはいけないと切り倒されました。この切株から新芽が出ていますが、これもいずれ摘まれてしまうでしょう。街路樹にあった一本の木に紅白の花が咲く梅だと思われる木も知らないうちに切り倒されていました。東京で銀杏の木の枝が落ちて通行人が亡くなった話がありますがきちんと管理すれば大丈夫だと思います。管理するほうからすればそうもいかないようですが、せめて絵に描いておけばよかったといまさらながら思います。しかし、いいなと思って写真を撮ってもあとから見直せば何に感動したのかわからなくなります。私は、歩いているときはきょろきょろする癖があります(あまり自覚していませんが人にそう言われます)。その時に見るものはある何か一瞬のものであったりしますが、その印象は絵画的なもので特定のものに焦点が当てられ、他はぼんやりとしているのだと思います。写真にとるとそのような取り方ができないので平坦になりあとから見返しても何に感動したんだろうということになります。だから、下手でもスケッチは必要なのでしょう。

 

2024年10月2日

先日、神戸の原田の森美術館で行われた関西春陽会版画2024の会場研究会がありました。東京からO先生が来られて講評を受けましたが、とても勉強になりました。私の作品は円形に切り取っています。なぜ円形なのかという問いに、きちんと答えることができませんでした。円でないほうがいいのではということに理解できず、講評を終えてからもう一度、「それならパネルの縁にも絵をもっていってもいいでしょうか?」と「それはやめておき」という答えを想定しながら・・・。回答は、「いいよ」でした。円に切り取ると、せっかく作品の中に描いている大きな動きが切り取られてしまっているので、それを生かす形にすればいいと話されました。ようやく理解できた瞬間でした。円に切るなら円に切る理由と作品の流れがあるわけです。作品によってはその動きに合わせた形であればいいということと理解しました。四角でも円でも半円でもなんでもその作品に合っている形にすればいい。私の版は181×91㎝あるわけですからこの大きさの作品までつくることができます。パネルの脇(横)も利用できれば面白い作品ができると「わくわく」します。今日、頑張って新しい版を作りました。一つは完全に新しく、もう一つの版は以前に作った版に流れを加えてみました。古いものでいいからベニヤ板と珪藻土とそれを固めるエマルジョン?があれば(コストを考えずに)遠慮なく作れるのにね、いろいろ探してみよう。

 

2024年9月22日

今日は子供の教室と大人の教室を連続で行い、すごく刺激を受けました。子供は年長から小学5年生までですが、私は(方針を変えて)子供として扱うことなく大人と同じような指導を行うようにしています。今日は人物画の描き方であり、できる限り人をよく見て描くことにしました。子供の場合、見ることをしないで頭の中にある人物を象徴的に描くことが多いのですが(これは成長のあかしではあると思います)まず頭身という考え方、見方を覚えてもらうために、いわゆるモデル人形を描いてもらいます。その後、ファッションモデルの写真を見て描きます。最後はクロッキーを行いますが、お互いにモデルを5分間行います。年長の子でさえ5分間じっとしています。とにかく頑張って描いてくれるのがうれしい。描かれたものを前に出してもう少し大きく描こうとか、ここがいいねとか言いながら進めてゆきます。僕も描きましたが、僕のクロッキーは彼女たちからすると「怖い」のだそうです。もっと「優しく」描かなければいけないというのが彼女たちの意見です。楽しくて面白い時間を過ごしました。

午後からは大人の教室。それぞれの絵(猫が人気、シュール的な作品、風景など)を描いていますが、それぞれの作品をどうしたらいいかを説明して進めてもらいます。この説明が難しい。乾燥させて透明色を重ねる時の効果、砂を混ぜてマチエールを作ること、ウェットオンウェットでいいのと乾かさないといけない理由などなど・・・。とにかく限られた時間で仕上げてゆくことに元気をもらいます。

今日は元気をもらったみたいで、「蝸牛」の木口木版を20枚摺り上げました。インクはリトグラフ用と銅版画用(少し固め)を混ぜて使ってみました。版を大切に保管しないから、木口の面を傷つけてしまったようです。やはり道具も作品も丁寧に取り扱うことは大事です。片付けも疲れましたが、何かここちよい疲れです。温かいコーヒーでも淹れてゆっくりしてから眠るようにします。今日は、温かいものが飲めるぐらいの気温になりました。やっと秋が近付いてきたようです。

 

2024年9月16日

テストプリントを行っています。少しだけですが何かが見えてきたような気がします。水の量を工夫した墨を使った裏刷りで滲みをうまく使って空間のふくらみのようなものを出したいと思っています。スーッと抜けていきながらきりっとした感じもあるようなそんな画面を作りたい。和紙の持つじわっと水や墨を吸い込む力と白く抜ける線があるにも面白いと思います。現代書の作家たちの作品も参考になるように思います。

今日、イメージが泉のように湧きます、このような日は数少ないです。小さな四角い形や円、長い線を使ったものを白抜きした上から何度も何度も刷り重ねます。墨の色は一定でも、2度3度と重なるにつれ色は濃くなります、正方形や円の版だと回転させるだけで変化します。1版で多くの作品ができるはずです。白と黒の世界がいい。ただ問題は一度白く抜いたところは水性顔料が乗らないことです。油性で乗せることはできるでしょうがうまくいかないかもしれません。試作あるのみですね。

黒と銀(螺鈿)箔、砂子も面白いかもしれません。とにかくいろいろな発想が生まれだすので、ノートにつづっておこうと思います。いつ実現するかわかりませんがとにかく楽しいです。

昨日ひょんなことから出てきた北岡文雄先生の作品を見て白く抜いているところと緑、それに灰色の墨(これは濃淡2色あるように思います)の4色が画面の大半を占めていて、そこに黄色の塊が画面をきゅっと締めています。作品を見ていると私の奥にあるものが顔を出すようです。とにかく今日は面白い一日になりそうです。

2024年9月15日

岸和田だんじり祭りがおこなわれているらしい。興味がないがニュースでしています。岸和田に住む人は特別のようで、この時期は会社でも一週間程度連続して休みを取る人もいました。年齢が離れた者たちが、一つの目標に向かって、やいのやいのと行うのは何かと楽しいものであることはこの私にもわかります。ましてや見物人が多いとなるとドーパミンも大爆発だろうね。しかし傍から見るだけの私には何の興味もありはしません。

関西春陽展の出品作品がうまくいかないのですが、こればかりは仕方ないとあきらめるわけにもいかず困っています。今出来上がった作品は、どうも「のべっと」していて締まりがありません。その締まりを、鋭い線で修正を行うか、四角い連続した形を入れようか、細くて湾曲した線にしようか検討しているものの決まらないのです。失敗すると元も子もありませんから、小さな紙で趣味レーションしていますがこれがうまくいきません。コラグラフで行くか、水性木版の裏刷か、表摺か、無彩色(黒)にするか、色を入れるかなどなど考えるだけでもいっぱい出てきます。紙は110×110もあり、プレス機(100)の幅を超えていますので、バレンで刷るしかなく、これまた厄介です。今日もこれからいろいろなことを試したいと思います。今は、コラグラフを油性インクで刷っていますが、もっと変化を出すために、水性木版か何かを、わんぱうなどで空間をいれて広がりのある作品にしたいとも思っています。版画ですから複数性も担保したいと思います。

作品を張るためのパネルが届きました。早く完成して展覧会に間に合わせねば、あと一週間しかありません。

コラグラフに使うための小さな木切れや、紙の紐などを探していましたら、紙にまかれたものが出てきましたので広げてみたら北岡文雄のイメージサイズで縦50×横47㎝の大きな版画でした。風景なのですがちょっと抽象的なところがある面白い作品です。機会があればちゃんと延ばして裏打ちして額装でもしようかな。岩見禮花の作品もあったと記憶していますがそれが見つかりません。何かをした拍子に見つかるだろうと思います。

絵画教室に新しい仲間(20代の若い方)が来られますので、キャンバスを張って、油彩に必要な画材を揃える必要がありますが、このようなことはうれしいことです。

2024年9月5日

無事にホテル日航関西空港での2か月に及ぶ個展を終えてほっとしています。ホテルに作っていただいたパネルやポスター、キャプションを頂戴してそれを記念に保管しています。作品は、現状、箱に入ったままですが、展示できる状態ですから部屋に出して眺めていくようにしたいと思っています。少しはアトリエらしくなると思います。外国の方に2点作品を購入していただきました。購入は一番の評価であると考えていますので大変うれしく思います。昨日おとといとその作業に追われました。丁寧に梱包しEMSで送るように手配したのですが、郵便番号と電話の記入がなかったので届かない恐れがあるよというアドバイスを受けたので、それを相手に訪ねて、改めて送り状を作成しました。それから入金いただくためのメールを送ったり、慣れないことで大変です。イギリスの郵便番号はアルファベットでなかなかユニークでした。新しいことをするたびに、いろいろなことを知ることになり勉強になります。

9月も展覧会が続きます。すでに堺のギャラリー「いろはに」でTKO版画コンクールの展示が始まっています。末にはどうとん堀クロッキー研究所開設60年記念展が始まりますし、関西春陽展版画部の展覧会も始まります。その準備でキャプション、目録などを作るのが例年の仕事になります。パソコンを変えたので前のAccessで作ったプログラムが使えず、Excelで作成をしています。ちょっと面倒ですが簡単にできるように工夫しています。

さあ頑張ろう。

2024年8月23日

木口木版の版木、直径約10cmほどの版木を2個手に入れることができましたので、といっても入手してから2か月以上経過するわけですが、江國香織の「蛾」という本を読んでそれを題材に刻むことにしました。蛾と植物とそれについていた蝸牛を使って心象表現をしているわけ(だと思うの)ですが、作者の意図が分かったわけではないものの気になって描くことにしました。最初は絵画にしようと思ったのですが、木口木版もいいねと思い、初めて凸版に刻むことにしたわけです。絵画は絵画で改めて描くつもりです。

片面には蛾を、その裏に蝸牛を描きます。ちょうどスペインのカダケスに出品するのにちょうどいいサイズですし、版木は2個あるので、4つの作品ができますから出品にはちょうどいい。うまくいけば、版木をちょいとばかり購入するのもいいかなと思います。

そういえば、少し前に石を使ったリトグラフのワークショップに行きました。堺のミュシャ美術館でリトグラフの作品を展示しているのでそれの参考のためかもしれません。本物の石に描くのは初めてでしたが、思いのほか取り扱いがしやすかったです。手順もわかりやすく、なぜチンクターや製版墨をつかうかなどいろいろ勉強になりました。他にも、いわゆる界面活性剤が入れば(石鹸で手を洗いそれが洗い水に入るだけでも)版が壊れてしまうらしいこと、だって実際に試すわけにもいかないから、知識として知るだけですが、このようにことは記載しておかないと、記載しても、忘れてしまうからね。このような大事なことは、技法書には書かれていないし、ワークショップのレジメにも記載はありません。インクの乗せ方や分量は記載しにくい面もありますが、このようのことこそ制作をしているときの肝になると思いますがその記載がないのはいかがなものかと思ってしまいます。文章で表しにくいけれど、ここにポイントがあるという記載だけでもあっていいのだと思ったりするのは僕だけでしょうか。そのようなことを書いてもわかりにくいからクレームを引き起こすだけだからかもしれません。

いずれにしても、新しいことをするのは新しい知識を得ることにつながり歳をとっても本当に楽しいものです。これからも機会があるごと新しいものに挑戦をしたいと思います。

そういえば、今発表している版画作品にしてもこれまでにない技法であると思っています、ちょっとした自慢です。キャロルサマーズなどの技法を参考にはしていますがちょっと違っているのも確かだしね。まあいろいろやってみてこれからもずっと楽しんでいこうと思います。

2024年8月13日
「笑わない数学」はやっぱりついてゆけませんでした。優しく解説してくれているようですがなかなかついていくのは難しかったです。集中力も忍耐力もなくなっています。ただ、確率論のところにありました三つの扉の下りが大変面白く感じました。
司会者は「あなたの前に3つの扉(A,B,C)があります。そのうち一つの扉の向こうには賞品の高級車があり、あと2つはハズレです。あなたが当たりの扉を開けなければ車はあなたのもの、しかしハズレの扉を開けると、何も手に入りません。選んでくださいと言います。」そこで私は勘でAを選択しました。すると司会者は言います。「Aを選びましたね。ここでヒントをあげます。Cの扉を開けましょう。はい、Cの扉はハズレでした。ここで、あなたにチャンスを与えます。今なら、AからBに選びなおしても構いません。扉を選びなおしますか?」というお話です。2つからの選択ですからどちらでも当たる確率は一緒だと思いました。ところが、変更するほうが当たる確率が2/3になり2倍当たる確率が増えるのです。解説を読むとなるほどと思うのですがキツネにつままれたようです。
このように思い違いをしていることは多いと思います。
 

2024年8月8日
山田詠美の「学問」一気に読み終えました。選ぶ本が何かしら官能的なものを選んでしまうようですが、この本は面白く読み終えました。「学問」という題名がなんかわかったような気がします。とにかく成長ぶりを読んで自分と比較できるところがなんとも面白い。外国の人との関係を描いた作品も多いらしいので、ほかの作品も読んでみようかと思いました。

​大西順子のジャズピアノを流しながら本を読むのもいいものです。

 

2024年8月7日
リリイの籠は装丁通りのライトノベルズです。女子高生を主題にして、美術部だったりするものですから読み進めましたが2話を残して降参しました。
今日は久しぶりに帝塚山です。あまり気が進まないけれど休むわけにもいかず、暑い中をとぼとぼと歩きます。長い道のりと思うこと少ないけれど、暑さのせいか今日は遠く感じます。
しかし、教室に着いて一緒に絵を描いていると楽しくなってくるのはいいものです。我ながら教え方もうまいな、なんて思うのはこれこそ自画自賛というものです。
そうこうしていると、以前勤めていた会社から電話がありましたが、何しろ10年ぐらい前の話、忘れています。そのころかなりマメで、なんでも個別に記録を残していたので、その記録があれば、見てもらえれば解決します。僕の取った記録なんてもうないかもしれません。人事に関することは記録に残しておくことが一番です。言った言わないなんて、いくらでもあることですから。
教室への電車で読み始めた「学問」は子供の頃のことを描いていますがなかなか面白く引き込まれます。一気に半分まで読み進みました。おそらく今日読み終えてしまうでしょう。
 

2024年8月3日
韓国から帰ってきた作品を取りに行くため、久しぶりに大阪に出ました。いつもは大阪からゆっくり歩いて中崎町にある大阪韓国文化院に行くのですが、地下鉄を乗り継いで中崎町まで行きました。途中着物を着た男女がいましたので、おそらく今日は花火大会でもあるのでしょう。韓国文化院の受付の方はいつもの方で、「アニハセヨ」と声をかけてくれます。僕は照れくさいので小さな声で「アニハセヨ」と応えます。目的の作品はいつもの会場に置かれていましたのですぐにわかりました。文化院からの帰りがけに、いつものように日本橋の笹部で絵具類、紙など画材を購入しました。行くと安くなっていてほしいものが出てくるので困ります。額が安いものがありましたが重いですし、(誰も買わないと思われる)版画のインクもかなり安くなっています。次回行くときにインクを思い切って購入しようと思います。購入した絵具の中には生徒さんから頼まれたものがあります。金色を出すための色が欲しいというリクエストです。今回は金色の明るいところはオーレオリンで暗いところはブラウンピンク、サップグリーンの混色で、グレーズの技法で表現することを伝えるつもりです。支払いを済ませ、2階に置いている案内状の棚に私の個展の案内状を置いていただくようにお願いしました。快く了解をいただきました。帰りに、天下茶屋のギャラリーによるつもりでいましたが不在のようですので今日は諦めました。時間が余ったので、遅めの昼食を日本橋の地下街でてんぷら定食を食べました。最後に高島屋で今回の展覧会のお礼に虎屋の羊羹(夏だから水羊羹と一緒になったもの)を購入して送っていただきました。直接お渡しするのもいいと思ったのですが、どうもお話しするのが苦手です。独りでお茶なんてつまらないし、これといって、どこにも行くところがないので帰ることにしました。電車で本を読んでいたのですがいつのまにか眠ってしまい、気づくと降りる駅。出発ぎりぎりで下車し、アトリエについたのは14:30を過ぎたところです。読んでいた本は山本幸久のカイシャデイズ、まあ、時間つぶしにはいいぐらいの本です。眠っちゃうくらいですからね。今まで大阪に出ると日が変わるぐらいまでいましたから、変わったものです。本の続きを読みながら涼しい部屋でひと眠りです。
 

024年8月2日
「森の匂いがした。秋の、夜に近い時間の森。風が木々を揺らし、ざわざわと葉の鳴る音がする。夜になりかける時間の、森の匂い。」これらの文章から始まる「羊と鋼の森」は素敵な文章が連なっていて、ピアノの調律師の思いが伝わってきます。ピアニストと調律師、そしてピアノとおかれた環境で音が変わるって、版画の摺りが紙の状態や、顔料、力の入れぐあい、バレンの種類で変わるようで面白い。僕は森が怖いと言った覚えがあります。光を遮って暗く、独特の草や木々の香りがする森は、何か出そうで怖いと感じます。木々の上から蛭がぼたぼた落ちてくる(泉鏡花だったかな)小説を読んだせいもあるかもしれません。森に入ると迷子になってしまうのではという怖さかもしれません。実は、山道で足を滑らせて転げ落ちたことがあります。ころころと山道に沿って人にも合わずに、怪我をすることもなく転がり落ちたのは不思議です。ピアノは、ハンマーを作る羊毛とそれに叩かれる鋼で出来上がった森なのですね。そのような僕が、近いうちに森?木々を描きたいと考えているのはどうしたものでしょう。実現するかはわかりませんが、頭の中をボヤっとイメージだけ浮かんできます。僕はどのような森を描けるのでしょう。
 

2024年7月31日
石田衣良の「MILK」はなんと官能小説でした。短編が10編ほどあり、同じような傾向ので読みやすいのですが、おなか一杯になりました。森毅と養老孟司の「寄り道して考える」は流し読み。戦後に子供のころを迎えている人の考えはためになるところが多いですが、もっと前に出会うべきでした。今日はこれぐらいにしておきます。
あまりに暑いので、強炭酸水を6本買ってきました。ゴロゴロと荷物を引いている姿は完全に高齢者の仲間入りです。

 

2024年7月30日
今回、CANTABRIAへの出品は諦めることにしました。期限が近付いているのにやる気が出ずにいました。暑いからという言い訳にでもしておきましょう。暑いので、冷たいコーヒーでも飲もうと濃縮のものを買ってミルクで割ってガブガブ飲んでいたものですから、不整脈が出て調子がよくありません。といっても心配するものでなく、前のような頻脈でなく、歩いてうろうろすることができます。今日も、図書館でいっぱい本を借りてきました。本によっては、巻末にほかの作家の本を紹介しているので、それを見て面白そうなものをチョイスして探しました。残念ながらないものが多く、似たようなものを適当に選んでみました。
石田衣良の「MILK」、この作家は一回読んでやめた記憶がありますが最挑戦。豊島ミホの「リリイの籠」。紹介されていたのは別の作品でこの本だけがありました。表紙を見た感じは若者向けの小説のような感じを受けていますが初めて読む作家。山田宗樹の「ランチブッフェ」。相性がいい作家なので借りました。山田詠美の「学問」。これも紹介されていた作品、面白そうだったので。山本幸久の「カイシャデイズ」。この本はひょっとしたら一度読んだかもしれません。最近は読んだ本をすっかり忘れています。(内容が)軽めの本は特に覚えていません。宮下奈都の「羊と鋼の森」は映画になっていたような気がしますので。挿画が牧野千穂となっていましたのでそれも選ぶきっかけになりました。千穂は牧野邦夫のモデルになっていた人です。私は、この人がモデルの作品を持っている(花飾りの千穂)のでちょっと気になりました。それから、森毅と養老孟司の「寄り道して考える」。そう、少しぐらいは難しそうで考えてみるのもいいだろうと。NHKでしている笑わない数学。実は、僕は結構数学が好きなのです。頭を使ってボケないようにしなければと選択。絵本「水はうたいます」詩は、まどみちお。この人の絵はとても好き。絵は違う人ですが、僕ならどのような作品を付けるか考えたくなりました。僕のほうがいいものができるはずです(結構な自信はどこから?)期限までに読みきれるかしら。
 

2024年7月29日

昼にマクドにくることが多くなっています。今もこれを書くことと、本を読むことにこの場所で時間を費やしています。アトリエでゆっくりするのもいいのですが、一人でいると寝てしまうことがありますから、それを考えると少しでも有意義な移管を過ごせるのではないかと思います。周りの環境がことを進めるというのはよくある話です。

本は、また山田宗樹の作品で「ジバク」を読んでいます。半分ぐらい読んだ途中ですが、ちょっとしたことから堕落の道を歩むのは「嫌われ松子の・・」を彷彿させます。ならば顛末も見えますが、楽しく読み進めてしまいます。僕には、この作家との相性がいいのかもしれません。

子供も大人も絵を教えていますが、やっぱり大人を教えるのは面白いと思います。個人別にノートをとって、意見や技法のお話をしているのですが、その人なりの指導があると思うのでそれが楽しい。カルチャースクールだから各週に一度、それだけだとなかなか進みませんから家で描き進める方もいます。それでも思い切って進めないのは、次はこうしてくださいという道しるべがないから不安で進められないからだと思います。ですから、メールでも指導するようにしているのですが、なかなか利用されることは少ないようです。僕が若かったときは、とにかくどんどん描いたものですが、今の方は物事を慎重に進められます。このほうが正しいですが熱量が違うように思います。目的、目標はそこにあるのでしょうか。まずは展覧会に発表してもらって、多くの人に作品を見てもらう喜びを味わってもらいたいと思っています。(違うのかな)

 

2024年7月27日

今日は朝からお掃除で忙しいです。使った絵具は出しっぱなし、版画ローラーも出しっぱなし(インクだけはきちんと落としていますが)いろいろなものであふれています。しばらく来客がなかったものですから、もう足の踏み場もないという状態です。かたづけて、掃除をするとひと汗かきました。足にできた赤い斑点はダニか何かに食われたのかも掃除をしないせいなのでしょう。まあ、きれいになりました。テレビからはパリオリンピックの開会式の様子が流れています。

山田宗樹の小説は読みやすいのでちょっと時間が空いた時に読んでいます。今回は「きっと誰かが祈っている」という児童保育の方を描いたものです。文が短くストーリー展開が軽快だから読みやすく、結末もよかったね、でおわるから読後感も悪くないです。ただ祖父の行動は物語の流れからすると違和感があり、いまいちよくわかりません。この予定調和でありがちなストーリーはいかさない、という人もいるだろうと思います。僕はこのようなストーリーは嫌いではありません。

2024年7月26日

ミニプリントの公募に向けて試作を続けています。想像しているようにならないもので、ちょっと嫌になってきました。今週は、教室が多いのもありますが、やっぱり子供を教えるのは大人と比べると3倍は疲れます。僕にはあまり向いていないような気がします。

電車に乗ったときや、ちょっと時間が空いた時に本を読んでいます。山本幸久という作家の短編が好きで、まあ理由は簡単で読みやすいからですが、物語はありがちなものだと思います。今回は、愛は苦手という題が付いた8編のものです。映画を語る人はハスミシゲヒコのことロメールのことを云々というところはへ~え、映画通では常識なんだと再認識しました。この間、広島の画廊から映画製作会社が私の絵をレンタルしたよと連絡が入りました。何かに使われたのならうれしいなと思っていましたところ、今回は、別のところからNetfiilixからレンタルの依頼があったということで作品を送りました。映画(ドラマ)映りがいいのかなと少しうれしい気分です。ただどちらも版画ではなく絵画です。とにかく、うれしいのは、何らかの形で評価を受けていることです。大学時代に○○映画同好会で一緒に活動したプロデューサーさ、僕の作品見てくれないかな。

 

2024年7月22日

作品にするために、昨日の夜からずっと試作をしていますが思うようになりません。インクを乗せるゴムローラーを5本用意して柔らかいものからテストしていきますがエンボスを入れた凹部にインクが入ってしまって作品を汚してしまいます。硬度の硬いローラーを使っても同じ感じですから、凹部が浅いからだと思います。広い幅のローラーでは、均一にきれいに刷れますが変化がなく面白味がありません。とにかく繰り返して、これというところを探るしかありません。これだけうまくいかないと、頑張る気もうせてきています。試作につかれたので、借りてきた山田宗樹の本(人は、永遠に輝く星にはなれない)を読み始めました。医療ソーシャルワーカーの話ですが、このような仕事があることを知りませんでした。この作家の本は読みやすいので一気に読んでしまいます。私たちが生きている期間はほんの少しで、人は、永遠に輝く星にはなれないのですね。

2024年7月21日(2回目の投稿)

独りではめったに来ないマクドに来ている。入り口を入ると電子マネーで利用する注文機器が3台設置され数人がそれに並んでいる。私は、現金派であるからもあるが、機械を使うより人に注文するほうが早いのでそうする。僕はハンバーガーにはミルクと決めているのだが、ミルクを注文する人は少ないのだろう、横にいる(先輩?)店員の方に有無を確認している。ハンバーガーにはコーラか珈琲だろうというのが友の意見だが、ミルクに勝るものはないと僕は信じている。店はお昼ということもあり、若い人、子供ずれでにぎわっている。僕のような高齢者は少ない。子供の甲高い声が癇に障るがこれも安価であるしいつまでいても文句を言われるわけでもないから致し方ない。いつもはサラダを注文するのだが店員さんは聞かないものだからポテトになる。まあ今回はポテトにするつもりだったからね。ポテト以外の注文は少ないのだろう。僕は異端なお客だということになる。腰かけた両隣は若い女性と男性。ともにモバイル端末で勉強か資料作りかを黙々としている。僕もその横で若者面をしているわけである。ここに来る前は図書館に寄った。借りていた海に関する本、貝の図鑑と小説の類を返却するためだ。その中には内館牧子の小説「老害の人」もあった。ドラマで見たので、小説も読んでみるかと思ったけれど、途中まで読んで返却することにした。老人には先がないのだから、これから先にないをするとか夢を語ることは少なくなるのは仕方ない。だから過去のことを繰り返し言うしかない。平均健康寿命まであと5,6年である僕にはあまり読み進める気がしなくなった。

マクドで昼ご飯をすますなんて今まで考えられなかったがこれからは増えそうな気がする。

ポテトをつまみながら、版画創作の時間割を考えている。今回は和紙に摺ることなく、かなり厚い紙にエンボスを施した後、摺を行うつもりでいる。昨日までにその用紙のカットを40枚済ませた。3日ほどかけてカットしたのは時間のかけすぎだ。やる気のなさがここに表れている。エンボスをする版は用意できていうものの20枚程度の半分に過ぎない。このままだとEditionを2にすれば済む話だけれど、今回はモノタイプでもいいのではないかと思っている。先日プチフォルムでおこなった作家は同じ版で着彩の色を変化させることでEditionをとっていたので、その方法もありだと思っている。仕上がったら、これらの作品はスペインカンタブリアのミニプリント展に出品するつもりだが、いつものように締め切りぎりぎりでもある。月末の輸送証明があること必要だから、それまでに作品が乾燥していないといけない。それを考えれば今日明日がリミットということになる。いつもこんな感じでやっているわけだからいけないねえ。これで賞金が取れるぐらいなら(賞金もだけど一等賞という名誉がそれ以上にほしい)このコンクールも大したことないか。賞金4,000ユーロは今だと68万円以上になるから、宝くじよりよっぽどいい投資だ。さあ、頑張ろう。

 

2024年7月21日

コンピューターの大規模なシステム障害が世界規模で起きました。海外では、航空業界の影響が大きく、ほかに物流や金融、放送、医療サービスなど、幅広い分野にまで被害は広がったようです。日本ではあまり大きな影響を受けなかったようですが、米国では、病院で手術を受けられなくなり、英国のニュース放送局は、放送を一時中断ました。豪州の金融機関は、一部の顧客への送金ができなくなったと報じられていました。世界を 麻痺(まひ) させた障害の原因は、米サイバーセキュリティー会社クラウドストライクのソフト「ファルコン」だそうです。パソコンなどの情報をサイバー攻撃から守る会社のソフトがこのようなことを起こしたわけですから難しいものだと思います。
なぜ、私がこのようなことに興味を示すかといいますと、情報システム室で仕事をしていた時にプログラムを作っていたことがあります。プログラムを作っているときには、過去に作ったよく似たプログラムをコピーして修正して作ることが多いのですが、プログラムの一行の間違い(ファイルをOpenしてすぐにCloseさせる一行を書き加えてしまった)があるファイルの中身を消すことになり、そのファイルを参照するプログラムが次から次へと異常終了をするというトラブルを経験しました。幸いバックアップファイルから戻すことで復旧しましたが、数時間会社のシステムを止めることになりました。ほんの少しのことが大きな結果を生んでしまうということです。それもほんの些細な過失です。

今の時代は、このようなコンピュータシステムの中で生活をしているわけですから、少し悪意のある人や思わぬ災害が社会をマヒさせることになるのだろうと危惧します。おそらくいろいろなバックアップ体制も考えられていると思いますが何かしら恐ろしさを感じてしまいました。

2024年7月16日

日曜日にシネヌーヴォで映画「上飯田の話」を見ました。初日で、たかはしそうた監督のお話もあり、少しお得でした。横浜市泉区にある上飯田町を舞台に、3編のショートストーリーから町の風景やその町に暮らす人びとを描いたオムニバス映画です。僕は、自分の結婚式に仲の悪い兄ツヨシに出席してもらいたいショウだったが、兄は頑なに出席したくないと言う「あきらめきれない話」が好き。オーディオの音もそうですが、特に居酒屋のシーンの音がうるさくて耐えられないと思いました。確かに居酒屋はうるさいものですが・・・。

山田宗樹の「いよう!」を読みました。「嫌われ松子の一生」の作家ですがふと読んでみたくなりました。「嫌われ松子の一生」が映画化されたときに僕の印象とは全く違うものになっていたのでがっかりしたのを覚えています。僕なら、モノクロで撮ったのに、全く反対のカラフルな印象には辟易したものです。同じものからでも受けるものはこれだけ異なります。話は少しずれましたが、「いよう!」は読みやすく、まあストーリーもありがちですが僕にはちょうど良い作品です。僕が、上飯田町をみるとどのようなものになるかなと思いました。映画や文学から作品をイメージすることが多いのですが、きっといろいろのものを見たりしても、当たり前ですがほかの人とは違ったものに見えているのでしょうね。

 

2024年7月5日

明日からホテル日航関西空港での個展(水に寄せて)が始まります。レストランに通じる通路の壁面を利用した(本来の画廊)版画作品46点が展示されます。版画は2015年から始め10年になりますが、その間に木版画や銅版画、リトグラフなどの技法を経験していましたが、最近はコラグラフの表刷りという特殊な技法で作品を作っています。作品にあった技法を行えばいいと思うので、これからもこの技法を中心にほかの技法を加えることになると思います。個展を行うのは非常に勉強になります。この展示で良かったかは今も悩みます。メインの展示の6作品は大きな一つの作品にしたほうがよかったかと思います。詩画集の作品群も内容を十分に伝えることができていないのでちょっと工夫が必要です。

ホテル日航関西空港の多くの方々にお世話になりました。本当にありがとうございます。

2024年7月1日

早いもので今年も半分を過ぎました。

今日から「第14回大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ」(福岡県大野城市曙町二丁目3番1号)が開催され私の作品も展示されています。今回は、全国各地から181点(122名)のご応募があり、審査の結果、入賞5点、入選39点が選ばれました。入選できてとてもうれしく思います。作品は最近続けていますコラグラフになります。ようやく自分だけの技法で独自の作品にたどり着いた気がします。これからは、この技法に木版や木版裏刷りで版を追加し、より複雑でより明暗の強い作品になるように工夫をしたいと思っています。まずは小さい作品でテストをしてゆきたいと思っています。まだまだできることがあると技法の追求をしていこうと思います。

さて、今週の4日はホテル日航関西空港で行う個展の搬入になります。雨だけは降らないでほしいと願っています。小さな作品は雨に濡れないように工夫できると思いますが、大きな作品はどうしても濡れてしまいそうです。まあ、心配しても天気ばかりはどうしようもないので、何とかなる、何とかするしかないわけです。

今まで作ってきま作品の中から40点ほど選んだ作品を並べて内外の多くの方に見てもらえることができるのは本当にうれしいことです。今回の展覧会は「水に寄せて」と題しました。水辺を散歩する猫や金魚のような具象作品も一部にありますが、抽象作品が多くを占めます。Underwater Annealedという作品群は最近公募展に入選、入賞しているものになります。しばらくは、この技法をベースにして作品を展開していくことになりそうです。是非、見ていただき感想を聞かせていただきたいものです。

 

2024年6月20日

 個展の日程が迫ってきていますが、新しい作品を作ることなくその日を迎えそうです。

第101回春陽展の搬入や当番に参加したり、まどかぴあ版画コンクールに作品作りや額づくりに時間を取られたりしたことが理由といえばそれまでですが、やはり、描きたいものを見つけられなかったことが一番大きな気がします。悩む中で、森をイメージした作品もいいのではないかと思ってデッサンをしていますが思うようなものはできません。すぐに思うようなものができるようなら苦労はしません。Underwater Annealedのシリーズも続けたいし気持ちだけが焦ります。

円に抜くことでコンクールに入りましたので、これはこれで102回春陽展に出品できるようにしたいと思う。秋の関西展でその評価を問うのもいいはずです。受賞作家展では少し趣の違うもの(平面のところだけでなく枠にあたるところも作品のあるようなもの)にしたいと思っている。思っているばかりでちょっとした落書きのようなデッサンしかしていないがいけない。時間があまりないのだから、できるだけ時間を確保できるような工夫も必要だあるはずなのに、時間を浪費しているような気もします。

とにかく、一所懸命頑張ろうと思います。

 

2024年4月28日

「創造する」の創には傷の意味があるとある人は言った。絆創膏にも創の字を使うでしょ、傷をいれて新しいものを造ること創造することだからね、と。私の版画をみて、今まで見たことがない版画だね、どういう風にして作っているのとよく聞かれる。具体的に包み隠さずに話をするが、フーンといわれるだけで、その方が試すわけでもないらしい。いや、知らないだけでいろいろと試しているかもしれない。僕は、版画をする人は、絵画をする人と違って何でも教えてくれると言った。僕もそれを実践している。僕の場合は絵画でも知っていることは何でも開示すようにしているし、テンペラのように基底材は石膏下地でなければいけないというような過去の技法を踏襲しないといけないとも思っていない。簡単に同じようなことができるなら新しいものを取り入れればいいと思っている。私は、写真のままに描くことの意味が見いだせない。写真のように描いていても、そこに精神性を見出すことができれば素敵だと思う。

絵を教えることは難しい。技術を教えるのは簡単にできるが生徒の頭の中にある表現したいものをつかむことがなかなかできない。それができれば、その表現に技術的なものを伝えることができるが、生徒の頭の中にあるものを、私が正確に知ることができないから指導が的確にできない。生徒にしても、頭にあるイメージを言葉で伝えることは困難だ。この距離を縮めることは、生徒はできるだけ言葉にして描くこと、私は良く聴いて知っている技術を伝えることでしかできない。とにかく私のするべきことは、生徒が絵を描くことを楽しみ、自己表現するお手伝いでしかない。この難しさを通解している。

話が変わるが、個展の準備をしているが、個展で何を伝えたいのか、単に作った作品を、はいできました、どうか見てくださいというものでいいわけがない、世界観を伝えなければと立ち止まっている。額装を始めたけれど、今回はパネル張りのマットだけで統一したいと思えてきた。そして水に関連するものを展示して私なりの世界を造ることができればと思えてきた。だから、今から新しい作品を作る必要があるようにも思う。時間はまだまだあるから。

とにかく、考えるという行為ができる、良い時間を与えてもらったことに感謝する

 

2024年4月18日

うれしい知らせがありました。春陽展で奨励賞を受けることになりました。最初は木版画で出品していましたが、今は木版コラグラフに表刷りという独特の技法に変化しました。アメリカの作家キャロルサマーズのカタログを翻訳してもらったことが非常な参考になりました。彼のような小さなローラーでないしインクも溶剤の使用の仕方も全く違う、これからも、この技法を進化完成させて私独自の作品として確立したいと思います。大きな作品は思うような作品になってきましたが、これからは小さな作品でもこの技法を生かせればと思います。小さな作品だと海外にも出品できますからね。

春陽展の巡回が終わった7月にホテル日航関西空港での個展がきまりました。約2か月の長い展示になり、受賞作品をはじめ、海外に出品した小さな作品たちも展示できればと考えています。小さな作品はパネルに貼ってまとめることで一つの世界ができるようにしたいと考えています。ただ、この展示方法が可能であるかホテル側と調整(相談)する必要があります。できないならその展示に近い方法を考え出さないといけません。これから、案内状や展示用のCV、作品目録など作るものが多くなるので時間が足りなくならないように計画を立てなければいけません。搬入日から逆算した工程表(ガントチャート)が必要になりそうです。昨日の夜から9枚のパネルにベースとなる紙を貼り、マットの窓を切り抜き、作品をセットし、最後にマットとパネルが離れないようにするのに今日の夜までかかりました。乾燥する時間も必要ですので思ったより時間がかかるものです。

作品をセレクトしていますと抽象作品が多くなりそうです。基本的には私の考えで進めることが可能ですが、油彩作品と一部の版画作品を見て決定されたホテルの企画でもありますので版画だけになる場合はきちんと説明が必要だと思います。

昨日、泉佐野市の生涯学習センターでリトグラフのワークショップを開催し、また新しい出会いがありました。いろいろすることがあり、まだまだ老いたりボケたりする暇がないことがいいようです。さあ、迷惑だけはかけないように頑張ろう。

 

2024年4月11日

村上春樹の短編小説は面白いから読んでみて、比喩がとにかく上手で女の子ならいちころ、ただ終わりがよく言うと余韻があるけれど、なんか突き放された感じがあるという。街角ライブラリーという小さな図書館があるのでそこを覗くと芸術系の大判の本や若い方が喜びそうな本とともに絵本のような小ぶりのバースデイ・ガールという本がありました。表紙は赤い地に女性の顔のイラストに数字が並んでいて、中は半分ぐらいが赤いイラストであふれていてまるで絵本のような小説です。二十歳の誕生日を一人で過ごすことになり、アルバイト先でオーナーと出会い、誕生日祝いになんでも一つだけかなえてもらえるというお話。何を願ったかを想像するのが面白い。僕なら、何をお願いするのだろう。

 

2024年4月9日
17日に行う簡易リトグラフ講座の準備をしています。会場は市の工芸室で水回りが準備された、しっかりした机に4人掛けが8台もある広い教室です。このような設備があるのはうれしいもので、私も何かの折に利用したいと思います。残念ながら机の表面に使用感がありこのままアルミ箔を置いて描画するのは少し問題が出るのではないかと思うので、下に敷くアクリル板かその代用のものを考えることにします。3月に行った高校生のワークショップは思った以上にうまくいきましたので今回もこの方法で大丈夫だと思います。版画の面白さは紙をめくるまで結果がわからないところにあって、多くは思わぬ結果に嘆くことが多いのですが、たまに神が手を加えてすばらしい結果をもたらすことがあります。その神の手が再び起こるように考え試すことが楽しくうれしいものです。8名の方が参加されると伺っていますが、版画をする方は何らかの美術にかかわっていると思いますので会うのが楽しみです。まったくの初心者の方がいらっしゃったときにどうするか、これが心配です。というのも、先日、初心者の方に木版画の印刀の使い方を説明することがどれだけむつかしいか痛感しました。刃を思わぬ方向に向けたりするのですから、チャンと彫れるわけでもないし道具は痛めるだろうし、ましてや怪我をする危険性もありますから。基本的なことを教えるには具体的に見せるしかないのですが、それがわかるようにやってみせるのは結構むつかしい。リトグラフでもインクを乗せるところが結構むつかしいところがあります。やっていることはローラーにインクを付けて版に転写するだけですがこれがなかなか厄介だ。厄介だからこのような講座が必要になるのだけどね。まあ、嫌にならないように楽しんでもらえるような講座になるようこころがけよう。そのためには、準備が大事。
 

2024年4月2日
早いもので今年も春陽会に作品を搬入する日が来ました。パネルに貼った50号の版画作品です。次は40号の円抜きの作品になります。しばらくは出品作品に苦労せずに済みそうです。もうすぐ、越前木版画展が始まり、その後はTKOミニ版画展が東京での展示を皮切りに京都、大阪に展示場所を移されることになります。いずれも楽しみな展覧会です。
上田秋成の雨月物語を読み直しました。なかなか作品にできずにいますが、今回は何とか作品にしたいものです。読み直せばそれなりに絵になりそうなイメージが湧きあがります。
白峰「崇徳院の体が真っ赤に燃え、膝まで届くザンバラ髪に白目を剥き、手の爪、足の爪は大きく鋭く鷲の鈎爪のよう。そこに怪鳥が飛んでいます」
菊花の約「命を絶ち魂になって左門に会う。左門は遺骨を取りに行き、赤穴を一刀のもと切り捨てる」
浅茅が宿「あなたを恨みながらもキツネやフクロウを共にして帰りを待つ。さりともと思ふ心にはかられて世にけふまで行ける命か」
無応の鯉魚「鯉に変身し竹生島にある弁才天の朱塗りの神垣が波に映える葦の間で眠って夢を見る。描いた鯉は湖に抜け出して泳ぎだす」
仏法僧「高野山で無念の自決をした人たちの幽霊。呪いの芥子」
吉備津の釜「袖の墓地に雑草が生い茂り、虫の声。七日すぎの上弦の月の光が木々から漏れて荒れ放題の庭。灯火がちらちらと風に揺れる。磯良のやせ細った姿。青白い顔に目が黄色く燃えている。正太郎は全身に中国の古い文字でお守りの呪文を書く。紙の札は朱でお経を書きあらゆる戸や窓を封印する」
蛇性の婬「荒れた海と黒い雲。美女と雨宿り。埃やネズミの糞の上に年老いた大蛇の妖怪となった美女の真女児が座る。雷鳴と吉野の春景色」
青頭巾「人肉をむさぼり愛欲におぼれて鬼となる快庵。江月照松風吹 永夜清宵所為」怨念が消え青頭巾と骨だけを残す住職の姿。これらの8作品を作りたいものです。

2024年3月27日
春陽会に出品する作品の額装(といってもパネル貼り)をしていますが、ちょっと思うようにならずに再加工をしています。パネルの灰汁止めをしたのですが不十分なのかパネルの横の桟の部分が茶色く変色しています。今は端だけですので、テープを貼れば隠れるため問題ないとも言えますが展覧会は巡回をする期間を考えると3か月以上になりますので影響が心配です。灰汁止めシーラーが不十分なのでしょうか、塗る回数や別の商品にするか検討が必要です。作品をピッと貼れるようになったのはいいのですが、次から次にいろいろ問題が発生するものです。
話が変わりますが、今日リトグラフに関する論文を見つけました。小学生の子供に簡単で安全なものを使ってリトグラフの原理を作品作りで指導しようというもので、非常に勉強になりました。一度、記載されていた安価な建材用の石板を手に入れてミニプリントで作品作りをしたいものです。4月に簡単なワークショップを行う予定ですので紹介できればと思っています。ネットがなければこのような情報に出会うことはなかったでしょう。今の良きところは積極的に受け入れようと思います。

2024年3月24日
カルチャー教室で油絵を教えているが、油絵と言いながら好きなことをしてもらっているので水彩を描いている人もいる。いろいろなことを行ってもらうと、それを見て覚えることになるので幅が広がって勉強になると考えている。今日も、画面に看板の字や数字を描くことに苦労されているので、普通にはどう描くかを指導しながら、雑誌などから転写する方法を伝えると興味を示した。この技法は、僕はなかなか教えてもらえずいろいろ試した記憶があるがしばらくしていない。久しぶり試したが結構うまくいった。絵画をしている人は技法について秘密にしたがるのはいかがなものだろうか。この技法は、メディウムはがし版画の技法とよく似ている。久しぶり試してみて思ったが、自分で描いた絵を顔料のインクジェットやゼロックスプリントしたものを転写すればそのまま版画になる。一度これで作品作りをしてみようと思う。サイアノタイプとの混合技法もあり得る。カンタブリアの作品のイメージが急に拡大してきた。教えることで絵にかかわり続けることで発想が広がるのは面白いものだ。

このようなことは子供を指導していても経験する。点を打って絵を描く経験をしてもらうと想定してた以上のことをするのを見るのは楽しい。見本は蛇だったのだが、うろこにこだわりスパンコールを身にまとったような絵を描く子供。点を打つのを飽きて(気が向かず)描き出す子供。とにかく自由だ。色の混ぜ方もいろいろだし、「そうか、こんなやり方もあるか」と感心する。ちゃんとこうするんだよ、と言いたくなるが、それが正解なのか戸惑う。親は一般的な指導を期待しているだろうから。とにかく、教えているのか教えられているのかとにかく面白い。それに、次何を指導するか本を読むからそれだけでも勉強になる。何年も続けられたらいいなと思っている。

2024年3月23日
南海高野線帝塚山駅を降りてすぐに帝塚山学院高校があり東に向かって歩くとお屋敷が続く。この界隈は趣がある大きな家があり楽しい。少し歩くと、チンチン電車が大きな音を立てながら天王寺に浜寺へ向かっていくのが見える。ここから天王寺まで歩いても40分もあればついてしまう。そのチン電の道沿いに小さくて癖のある親爺さんが握る太公望という寿司屋さんがある。僕はここのすし定食が好きでたまに入る。9貫の寿司に天ぷら5品ぐらい入る煮麺がつく。結構ボリュームがありながら安い。できればてんぷらは別にしてほしい。この通りは、有名な洋菓子、和菓子店が多いようだ。ふらふらと天王寺当たりまで歩いてみるのもいいと思う。

2024年3月21日
春陽会の作品を準備しています。作品はできているのですが、作品をパネルにピンと貼ってしまわなければなりません。一年ぐらい前にしたのですが、同じようにしていると思うのですが、今回うまくいきません。水分が蒸発して、きちんと貼れていなかったらもう一度摺りからやり直す必要があります。乾燥にも時間がかかるのでぎりぎりということになります。最近うまく貼れたので油断していました。
一つひとつしなければならないことを順序良くlこなしていくのが結果として一番早く、きちんとできてゆくのでしょう。
ちょっと時間をとって頭の整理をするのが大事なようです。

2024年3月20日(個人の創作記録として)

「Night Owl」という版画作品を作り上げました。版数は9版で様々な技法を使って作品にしました。①塩ビの版(梟を線で描いています)②梟を紙の上にモデリングペーストで描いたコラグラフの版(これでエンボスを最後に入れます)③空の木版(木目がよく表れた建材用のパネルの一部)④月の形をした紙のマスキング⑤一番手前を奥の木を彫った木版(3本)⑥真ん中の木を彫った木版(2本)⑦木の切り株を表現したコラグラフの版⑧蝋燭の版(木版にモデリング)⑨梟の形をしたマスキング紙版を利用している。
主となるフクロウは塩ビの板にビュランで刻んでいくようにし、バリは必要なところ以外はげずり取るようにしました。これを一番最初に刷ることで、大きさや位置が明確になり作品のベースになります。木版の刷が多くなりますので、厚めの和紙、例えば竹和紙をベースに最初考えましたが、ハーネミューレの300gを選択しました。アルシュは少し硬いように感じました。水を含み、余分な水分をとったハーネミューレの感触はとても好きです。
インクは、エッチングのハルゾウの黒だけで刷りましたが、6枚目から少し柔らかく感じたのでにシャルボネのリトグラフ用の黒インクを混ぜました。プレス圧は少し強めにしました。インクのふき取り具合を一定にして、プレス圧を決めるのはむつかしく、なかなか一定の濃さで刷れないのには技術のなさを感じます。プレッシャーゲージがついた大型のプレス機があればいいのですがね、手作業で色々することの楽しさもなかなかのものですと自分に言い聞かせています。さて1回目の刷が完成です。乾燥させ、再び水につけて、余分な水分をとる作業を繰り返して2回目の刷に入ります。基本的に背景からすることになります。この作品の全体を墨色でした塗り(刷り)を行います。梟に切り抜いた版と月の形に切り抜いた版を重ねて、何も彫っていない版を薄墨で刷ります。実際には木を彫った版木の裏を使いました。刷り上がりはこれだけでも作品になりそうな感じです。

続いて空の雲の表現には建材用のパネルの木目の好きな部分をマスキングで切り取って使います。建材用のパネルは削りが荒いので必要なところはサンドペーパーでならします。木版ですが、ばれんでの刷ではなくプレス機を使って刷ります。この版は大きいですが何とかエッチングプレスを使えますので木版プレスを使うことはありません。墨は薄墨で青色を呈する松煙墨(松潤)を使います。空の上を濃く下に向けてぼかすのも忘れません。月のマスキングをして刷っていきます。プレス圧は空の上部分のほうが気持ち強いかもしれません。木の目の流れがとても素敵ですが何度も繰り返すとうまく刷れなくなるのが困りものです。
次は、一番奥の木を刷ります。3本の木を彫った版の一部分を使います。墨は松潤を使いました。次に別の版の2本の木を刷ります。墨は薄く溶いた油煙墨(天衣無縫)を使います。薄墨では紫から赤い黒色を呈します。これで木の奥行きを表現したいと思います。一時、すべて銅版画で表現しようかと考えましたが微妙な黒色の微妙なニュアンスを変えるには木版で墨を使うのが最適と考えこの技法にしました。一番手前の木は油煙墨にガッシュのセピアを少し混ぜたものを使うようにしました。木の版は、建材用の4ミリ厚のものを利用しましたがこれがあまり良くなかった。もう少し厚めのものを使うべきでした。プレスを通すとメリメリと版が割れる音がしましたし、彫跡が刷り上がってきます。汚れを防ぐために圧を緩めると思った色が出ません。彫跡を綿棒などできれいに拭き取りますがどうしても汚れは免れません。仕方ないので汚れをバットに入れた水に紙をしたし、豚の筆で汚れを洗い落とします。大方の汚れは落ちますのでハーネミューレを選択したのがここで生きてきます。和紙では繊維の目にすぐにしみ込んでこの荒業を使えなかったことでしょう。
切り株の表現に入ります。モデリングペーストで作った版に薄墨で色を付けて刷ります。通常、このようなコラグラフは油性のインクを使いますが水性を使いました。すりあがりのままでもいいのですが、もう少し木の皮を強くしたいので、その部分だけを油性絵具(ローアンバー(クサカベ)+テールベルト(ルフラン)+セピア(クサカベ)+プルシャンブルー(マツダ)を適当にませて作りました)で作った色を筆で塗り雑誌の紙でふき取ったもので刷ることにしました。この色の強さ加減がむつかしいです。(最初の5枚と後半では絵具の色が変わりました。後半はちょっと緑が強すぎた感があります)最初1枚でテスト刷りを繰り返し、うまくいくとわかればエディションを一気に刷るべきだと思います。今回のように2回に分けるのは間違いでしょう(本当はエディションを5でいいと思いましたが、この作品が面白くなってもう5枚刷ったのが本当のところです)
梟の体に空いた蝋燭を刷ります。薄く絵具を付けて何度も何度も刷り重ねます。何度も何度も刷り重ねることによって奥行きが出ます。5回ぐらいは刷っているはずです。
最後に、モデリングペーストで作ったコラグラフの版で空刷を行います。(実際は梟の体に空いた下の部分に薄墨を少し敷きました。梟の体にあいた下の線をくっきりさせるためです)。完成後一度乾燥させて、翌日水張りして完成させることにしました。紙の耳を残すため、水張りテープと作品の間に紙を当てる工夫をしました。作品が完成する都度水張りができるように事前に準備をして進めるほうが効率的だと思います。
余談ですが、最後の木をするときに天地を間違いました。たまにこういうことがあるのですが具象作品で失敗するのは極まれのことでがっかりしました。ところが刷り上がりを見ると木が多くて面白く感じましたので、次は、木を多くして月あかりがそれを通して見えている作品ができると直感的に思いました。失敗は神が与えた啓示かもしれません。次の作品が見えてきました、楽しみです。

(これは創作記録ですのでこれだけを読んでもわからないと思います。必要な方には実際の版をもとに説明させていただきます。墨や紙にこだわり四苦八苦している様子を感じてもらえるだけでもうれしいと思います)

 

2024年3月11日
先日5日に高校の美術部で簡易リトグラフのワークショップを行いました。版画が広がればいいのにという期待のものに行いました。
美術部では三年生の二名が卒業したので女性ばかりの部になったそうです。すこしだけお話ししましたが、芸術大学に進学を決めているのは一名だけでした。
泉州地方では美術関係の予備校がなく(以前岸和田に分校があったのが廃止になったらしい)大阪まで出ないといけないのが時間が惜しいということです。
ネットで見てもらえる講座もあるのでそれも考えているらしい。時代だなと感心しました。
さて、リトグラフのワークショップは、ことのほかうまくいきました。
ワークショップに徐々に慣れてきたのでしょうか?それとも聞き手側がきちんとされていたからでしょうか?ほとんどの方がうまくいったので安心しました。
これから、私もリトグラフと他の版種との混合技法を試したいと思います。
来月はメディウムはがし技法のワークショップを大阪市内でおこなう予定です。
7月から関西空港のホテル日航での個展が決まりました。楽しみです。

 

2024年​1月5日

新しい年を迎えましたが、石川で大きな地震があり、それに関連して飛行場では考えられないような事故が起きてしまいました。海外を目に向けてもウクライナやイスラエルと戦禍が絶えません。これは人が起こすことですから避けることができそうなものですがなかなか解決に至りません。

​絵を描けることが本当に幸せなことだと身をもって感じる年の初めです。

 

2023年10月26日
お世話になっている子供絵画工房の展覧会が大阪市内であるため搬入に行ってきました。
100名以上の作品を展示するので大変ですが、多くの作品を一堂に目にすることができるので、とても楽しいものでした。特に、動物の仮面を壁いっぱいに展示した様子は圧巻でした。主宰者はちょっと茶色が多いなと話されていたのは面白いと思いました。
さて、今、私の作品は、スペインのカンタブリア、ヨーロッパのどこかを巡回して展示されているのが一か所、アメリカNYで一か所(これもBendheim Gallery, Greenwich, CTの巡回展が決まりました)、
12月からは再びNYで別の展覧会が始まります。日本の展覧会では縁のないこともありますが、海外では縁が出てきたようです。
そして今日アメリカから作品が売れたといううれしい連絡がありました。作家のことを知らずに、作品だけを見て購入いただけることは本当にうれしいことです。
これからも海外へ出品する励みになります。

 

2023年10月24日
金木犀の薫りが天から降っていたのに今はそれもなくなってしましました。
香りは短い時ですが、アトリエのある玄関を出た時には秋を感じさせてもらっていました。
今年もアメリカニューヨークで行われる第22回国際ミニプリント展に入選したことをうれしく思っています。国内では、選出する人が出品者のことを知っているケースが多いのでどうしても偏ってはいないか不安になりますが、国外の場合はそのケースは比較すると少ないと思うので、入選の意味は大きいと感じています。円安に加えて運賃もひところの倍近くになっているように思います。そういう意味では海外に出品するのもコストがかかりますが、やめられそうにありません。
もうすぐ、お手伝いしている子供絵画教室の展覧会が始まります。子供の作品はのびのびと面白い色遣いをしていますのでとても面白いと思います。私も、小さな作品を出品させていただいています。彼らの作品の中に置かれると勢いがないように思えてしまいます。小さくまとまらないように見習いたいと思たりします。
先日、木版画の刷を指導しましたが、思ったように刷ってもらい、失敗している結果を見せて刷毛の使い方を説明しました。しかし、失敗を見せて説明しなくても、こうしないとこういう結果になると説明してくれればわかる、そうすれば失敗作品を作らなくて済むといわれました。
確かに失敗をさせて指導するなら、失敗する前にきちんと説明して、失敗のないようにするほうがいいに決まっていますね。説明が分かりやすくていいと思っていましたが、私の奢りであったように思いました。指導することは本当に勉強になります。次回もう一度同じ版で刷る予定です。本当に楽しみです。

 

2023年9月7日
ここに友から借りた古いコミック本がある。ハートカクテルという「わたせせいぞう」の本だ。NHKの深夜番組で何本か連続して放送していたのでそれを機会に借りてきた。
昭和59年(1984年)12月15日第1刷発行とあるので約40年前のバブルを迎えようとしている頃になる。拓郎や陽水、かぐや姫のフォークソングからユーミンのニューミュージックに入るころの少しおしゃれな時代。さすがにこの本も背は色あせてしまっている。扉絵は缶コーラのプルトップを開けたものが窓に置かれている。

吹き出しは手書き、

「その町には海からの風が流れていた」という情景を表す言葉から始まるバラホテル。

そして「町には夕闇が迫っていた。そして今度は山からの風が流れていた」で終わる。
2話目はジェシイの店。ジェシイの店ではライトビールにピッツア。BGMはCarmen McRaeの歌声やGeorge Bensonのギター。しゃれた空間と時の流れを感じさせてくれる。

ゆっくりとページをめくりながら40年前を遊ぶ。

2023年10月3日
所属している春陽会から春陽帖に簡単な記事を寄稿するよう依頼を受けました。140文字という非常に短い文書ですので思いのほか難しいものでした。
私のすまいから一番近くにある美術館は和歌山近代美術館になります。この美術館は南海和歌山市駅から歩いて10分余りのところにあります。バスで県庁前まで行く方法もありますが、私はゆっくりと歩いていきます。運動にもなりますしお金もかかりませんから一石二鳥です。
和歌山市駅は図書館ができで、一階にはスタバと本屋さん(蔦屋)と図書館が一体になって面白い空間になっています。珈琲を飲みながら、パソコンで仕事をしたり、資料を調べたりしています。しかし、美術館に行く道は、少し寂しい感じがします。ブラクリ丁を横目にすぎますが、もともとは非常ににぎやかだったはずです。和歌山城を過ぎた横手にモダンな建物の美術館があります。版画作品の収蔵が多く、版画に興味を持つ私にはとても素敵な場所です。65歳を超えると拝観料が無料ですし、車で行っても駐車料金も2時間無料となります。ほかの美術館もこうであってほしいと思います。和歌山に縁のある作家の作品を行うことが多いですが、常設展だけでも十分楽しめます。暗い部屋に一面にマーク・ロスコの大きな作品がひっそりと掛けてあります。照明は壁に沿った天井から光を落としているためか絵が浮いて見えます。
そして静かに語ってくれます。丁度見る位置に椅子を置いてくれているところも憎いサービスです。
心地よい昔の映画を見ているような気になります。そして、運が良ければ駒井哲郎の「手」や「束の間の幻影」を見ることができます。
そうそう、県庁の中の食堂がいろいろな種類(和食、中華、洋食からデザートまで)が食べ放題でありながら結構おいしい、お城を眺めながらの舌鼓もいいものです。
あとは、晩ご飯の美味しいところが見つかれば最高なのですが。
今のところ、味一のとんかつになることが多いのです。美味しいのですが、お店の人がちょっと偉そうで・・・。

2023年10月4日
人類が誕生してから20万年前と言われています。ホライモリという目のないウーパールーパーにも似た動物が6600面年前にこの地球上を泳いでいました。隕石の衝突によって多くの静物が死に絶えたときも生き延びることができたこの生物が、人類の出現により自然の崩壊から絶滅の危機を迎えているという。
地球の5回の大量絶滅の危機があったという困難を乗り越えても今回を乗り越えるのは難しいかもしれない。
このようなことが書かれている本を眺めていると、昨日注文したプリンターが早々に届きました。
何と早いこと。電気屋さんに行かずに重いものを玄関までもってきてくれて、店頭で購入するよりは安価という。だまされているのではないかというようなリスクがあるが、きちんとしたところであれば問題はない。通販で購入する理由が分かった気がしました。このようなことを書くのは、ベアリングばれんが欲しくて、いろいろ探していたら適当なものがあったので注文をしました。しかし、注文後にメールに支払い方法を送ってきたり、代引きの購入手段がなくなっていたりしました。怪しいと思ったので、注文画面ではあった代引きがなくなっていることを指摘し、代引きで購入する条件でメールをしたが返事がありませんでした。
きっと騙されるところだったと思います。多くのサイトがそうではないと思いますが注意したいものです。
怪しいサイトとして公的なところに報告しておきました。
購入したプリンターは以前のものとちがって、スキャナーもついているのでいろいろ活躍しそうです。前と同じ顔料系のものですが色は少なくてランニングコストも安く済みそうです。
パソコンとの接続に時間がかかりましたがこれから便利になりそうです。
ノズルの固まり(つまり)で一部欠損する前のプリンターも処分できてすっきりしました。
最近続けて、海外のコンクールに出品していますが、その出品料はPAYPALで支払いします。
プリンターと格闘していると、クレジット会社から電話で、この支払はあなたがおこなったものかという確認の電話がありました。
続けて、アメリカに3か所に送金したわけですからおかしいと思ったのでしょうね。
きちんと調べているのだと思いました。海外の送金は特にチェックしているのでしょうね。
そうこうしているとお巡りさんがパトロールといってやってきたのですから、何といそがしい一日です。
表札は獨楽窩と記載していますから何かいいたげでしたが、梱包材と格闘している様子を見て早々に引き上げてくれました。
カッターナイフを持っていましたからやばいと思ったのかもしれませんが。

 

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